アーチ橋工事写真

 

[アーチ橋の施工]





















[第一音更川橋梁]

第一音更川橋梁設計図
第一音更川橋梁設計図

 

丹野式巻上機でコンクリート打設 コンクリートアーチ部分完成
(1936年7月中旬)




[勇川橋梁]

土留石垣(玉石積)施工 完 成
(上部盛土土留石垣)




[第二音更川陸橋]

第二音更川陸橋設計図
勝景大凾附近

勝景鱒見の滝下流付近
増水多量の為、水替作業不能。
潜水夫を以て根掘中

型枠組立中
型枠組立中

型枠組立が終わり、コンクリート作業中
対岸より撮影

第二橋台方より撮影
完 成
(1936年11月初旬)



[第四音更川橋梁]

第四音更川橋梁
第四音更川橋梁設計図

完 成
(馬にて砂利、砂運搬)




[第三音更川橋梁]

設計の基本的な考え方

 10m径間のアーチは畳石アーチと考えて無筋とし、一部は有筋としている。32m径間のアーチは、コンクリート容量を少なくし強度を増すこと、および温度の変化やコンクリートの凝縮によるアーチの亀裂を防ぐために鉄筋が使用されている。
 32m部分については鉄桁とコンクリートアーチの両者の費用比較を行い、コンクリートアーチ橋による方が7%ほど工事費が安くなることを算出している。また両岸の地形および基礎岩盤の状況が良好であることも径間32mのコンクリートアーチが採用された理由の一つである。

 第三音更川橋梁におけるコンクリートアーチ橋の採用は、材料の現地調達による工事費の低廉化を第一の目的とし、今後増えるであろう山岳線、および人口希薄地における鉄道建設のためのコンクリートアーチ橋の導入を試みたものである。

第三音更川橋梁 32mアーチの構造計算@
第三音更川橋梁設計図 32mアーチの構造計算@
32mアーチの構造計算A 10mアーチの構造計算@
32mアーチの構造計算A 10mアーチの構造計算@
10mアーチの構造計算A 鉄道橋の工事工程表
10mアーチの構造計算A 鉄道橋の工事工程表
鉄製桁とコンクリートアーチの工費の比較
鉄製桁とコンクリートアーチの工費の比較

施工

A.基礎工事

 地下水位以上の基礎工事では人力による岩石発破によって岩盤を均し、地下水位以下あるいは水中工事では締切法が採用され、岩盤上に堆積していた砂利は人力によって掘削、削岩機によって岩盤を均す方法が用いられた。
 岩盤が良好であったため工事は比較的容易に進められ、主に冬の渇水期に行われた。

B.アーチの架設

(a)10m径間コンクリートアーチ橋
松角材を1m間隔とし3mのコンクリートアーチに対し4列の配置で組み、ボルト締めされた。また楔は長さ50cm、巾20cm、1/12の傾斜がつけられたものが用いられたほか、上越しは2cmとされた。

(b)32m径間コンクリートアーチ橋
25mmの主鉄筋を採用したため自重で鉄筋の保持をすることが困難であった。このため支保工形枠が採用され、洪水対策に方杖を配置、上部荷重が両橋台下の岩盤に掛かるように施工された。各部材は角松材が用いられ、楔は用いられず、上越しはアーチ頂部において4cmとされた。

C.コンクリート打設

(a)10m径間コンクリートアーチ橋
コンクリートは橋脚部側でバッチミキサーで練り合わされ、丹野式巻上機で橋梁上部まで巻き上げられ充填された。
アーチ部は形枠を一時的に組み立て、下部より側圧を加えないように打設が行われた。また10m径間は無筋であることから温度変化に伴う凝縮による亀裂防止のため、1区分の施工後2日間放置してから、次の区分の打設が行われた。

(b)32m径間コンクリートアーチ橋
コンクリートの混合は第一橋台側に設置されたバッチミキサーによって行われ、搬出は部材運搬に使用した軌条を利用し、鍋トロによって充填された。打設は最初アーチ頂部から行い、次に左右両下腹部、左右中腹部の順に行われた。

 

 

 

足場組立中 第二橋脚のコンクリート打設を終わり、
型枠撤去中
(1936年9月初旬)

砂利、砂 採取 足場組立

地鎮祭 足場組立

 

 

原寸切取り 型枠組立中
(下に見えるのは砂利採取船)

 

 

型枠材 止水板張り

止水板張り 止水板張り

 

 

楔(くさび)型の取付完了 鉄筋組立
( 主筋 24mm筋、上下24本
  横鉄筋19mm、スタラップ16mm 50cm間隔 )

完 成
水面よりの高さ 27.5 m、径間 10m×3連、32m×1連



[黒曜石とアーチ橋]

黒曜石

黒曜石(こくようせき)は、マグマが冷えて固まったガラス質の火山岩の一種で、火山ガラスとも呼ばれていて、加工することによって鋭利な刃物になるため、大昔から石器の原材料として使われてきました。

北海道は、日本の中でも良質な黒曜石の原産地があることで知られており、その中でも音更川上流に位置する上士幌町十勝三股は4大産地の一つに数えられています。

石器の材料になるような良質な黒曜石を産出する上士幌町は、大昔の人達にとっては宝の山であったに違いありません。十勝三股産の黒曜石が、道内はもちろん東北地方の遺跡からも出土していて、大昔から北海道と東北地方には黒曜石をとりまく交易がありました。

劣化の進む旧士幌線コンクリートアーチ橋の表面には、コンクリートの材料の砂利に混じった黒曜石を見つけることができます。



[タウシュベツ川橋梁]

1937年4月10日
第8橋脚のコンクリート足場

第8、第9橋脚 コンクリート打設
  完 成






工事中の第六音更川橋梁
第六音更川橋梁
工事中の第六音更川橋梁
第六音更川橋梁
工事中の第五音更川橋梁
第五音更川橋梁
昭和10年代 上士幌〜三股間
昭和10年代 上士幌〜三股間




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